中国とミャンマーで起こった自然災害がメディアの注目を集め、批判的な報道がなされたこと、またブッシュ大統領の中東訪問が一時期とりあげられたことを除けば、ワシントン政界では外交問題がほとんど話題に上らない。民主党の大統領候補者選びが佳境に入るにつれ、国内政治問題に関心が集まっているからだ。唯一話題になる外交政策といえば、自由貿易協定への反対意見が強まっていることで、その理由としてはイラク問題をめぐる議論が、ある民主党政治アナリストの言葉を借りれば、「凍結状態にある」からだという。イラク戦争への批判が国内世論をいまだに席巻する中、民主党はブッシュ大統領の政策を変えるだけの政治力がないことをはっきりと自覚している。あるホワイトハウス職員はこう説明する。「現在のイラクとアフガニスタンへの追加支援をめぐる議論は、今後も多くの時間と労力を必要としますが、結果的には何も変わらないでしょう。」 対照的にイランに対する政策は激しく揺れ動いている。ブッシュが5月15日にイランの核開発計画をはっきりと批判したことで、両国の緊張が新たに高まっているからだ。しかし、ペンタゴン関係筋はこれまでと同じく軍事行動の可能性を否定しており、ゲイツ国防長官も注意深く事態にあたるべきだと主張している。 イスラエル問題は今後深刻さを増していくだろう。イスラエル政府側から最近アメリカに提供された機密情報によれば、イランは今後1年以内に核兵器の開発能力を手に入れるという。米長方コミュニティ関係者らは、イスラエルの情報は時期尚早であり、裏づけがないという。しかし、それでもイスラエルは米政府に多大な影響力を持っているおり、イランのレバノンでの勢力拡大を積極的に阻止する、との合意がワシントン政府とイスラエル政府との間になされている。さらにサウジアラビアといったスンニ派アラブ諸国も、米政府に対し、イランへ強硬姿勢をとるよう水面下で求めている。
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